マイクロバイオームとEM

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なし マイクロバイオームとEM

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2013/3/9 16:44 | 最終変更
go  管理人   投稿数: 125
EM研究機構西渕氏が講師の勉強会の冒頭、日経サイエンス誌「マイクロバイーム」の紹介があったとき、
私は衝撃を受けたと同時に、心の中では狂喜した
 (以下、私見だが)
 これまでのEM普及の歴史は、世の土壌学会や科学者たち権威者たちによる醜いまでのパッシングの歴史でもあった、「科学的に証明されていない」というのが攻撃の主たる根拠としているのだが、私は、それまで積み上げてきた実績・信用・経済的などで貢献してきた権威者たちにとってはその地位を脅かす驚異であり「出る杭を打つ」という抵抗でもあったような気がしていたものだ。

 しかし今サイエンス誌によって、複雑で高度な人体にあっても「ヒトと微生物群の共生」、 「ヒトは微生物たちによって生かされている」、ということが最新の科学(ゲノム解析など)によって明らかにされはじめた。
 これを Human Microbiome(ヒトの微生物叢)というが、土壌における微生物叢(そう):Soil Microbiome または植物における微生物叢:Plants Microbiome は、まさに私たちが長年の実践と普及などの活動し続けてきたEM(有用微生物群)の世界そのものでもあろう。

 これからは、EMに拒否反応ある方たちには 「マイクロバイオームのことだよ!」 と言ってあげたい。


 あらためて日経サイエンス誌(2012年10月号)の「マイクロバイオーム/細菌に満ちた私」という特集を読んでみたが、まずは衝撃的にはじまる冒頭数行を紹介する↓↓
引用:   究極のソーシャルネット
 人体には自身の細胞の10倍もの数の細菌が存在し、複雑な生態系を構築している。 この生態系の異常が肥満や自己免疫疾患の増加につながっている可能性がある。

 かつて生物学者は、ヒトは生理的に独立した存在であり、自らの体内活動を完全に制御する能力を持つと考えていた。 食物を消化したり、栄養素によって身体の組織や器官を動かしたり、修復したりするには酵素が必要だが、これらはすべて自分で作っている、空腹や満腹といった身体のの状態を知らせるシグナルは自身の組織が伝えている、また、免疫系は危険な微生物、つまり病原体を認識して攻撃する一方で、自己の組織への攻撃は控える方法を自ら学んでいる・・・、
と、そう考えられていた。

 しかし、ここ10年前後で、人体は結局のところ、自分できっちり何でもこなしているわけではなく、それほど独立した存在でももないことがわかってきた。 人体はむしろ複雑な生態系のようなもので、皮膚や生殖器、口とりわけ腸にいる何兆もの細菌や微生物を合わせた社会的ネットワークとみなすことができる。 実際、人体の中にある細菌の大部分はヒトのものですらない。 人体にはヒトの細胞の10倍もの数の細菌がいるのだ。

 このような微生物の生態は「マイクロバイオーム」や「細菌叢」と呼ばれている。そこに含まれる細菌やその遺伝子は、人間にとって危険なものではなく、消化から免疫応答に至る基本的な生理機能を助けてくれる、極めて有用な存在になっている。

 生物学者は人体で最も一般的な微生物の特性を着々と明らかにしてきた。 最近ではこれら住人が持つ特有の作用も分かり始めている。 その研究過程で人体はどう機能しているのか、また、なぜ肥満や自己免疫疾患といった現代病が増えているのかについて、新しい見方が浮かび上がっている。・・・
引用:人間はみな、最初は全く微生物がいない状態で生を受けても、すぐマイクロバイオームを持つことになる。 みなそれぞれが周囲の環境から、独自の共生微生物のコミュニティを獲得する。 子宮には通常、細菌がいないので、新生児は最初、無菌であり、共生微生物とは無縁だ。 だが産道をくぐる抜ける際に、母親の共生微生物が身体に付いて増え始める。 子供が母乳を飲んだり、満足げな両親や祖父母、兄弟や友だちに接する間に、微生物王国は急速に拡大する。 シーツや毛布、さらにはペットとの日常的な接触でも、もちろん増える。 乳児期後期には、地球上で最も複雑な微生物生態系を抱えるまでになる。
続いて、気になる箇所をピックアップしてみます↓
引用:腸内微生物は、嫌気状態で進化しているのでシャーレに移すとうまく培養できないが、共生菌には識別可能なRNA分子の遺伝子があるので、遺伝子の配列を解読することによって、マイコロバイオーム全体のカタログを作って調べることができる。
引用:ヒトの消化器にいる微生物の遺伝子の数は、330万個(微生物数1000種以上)でヒトゲノムに存在する遺伝子2万~2万5000個の150倍に相当する

 ヒトのマイクロバイオームの実態を調べた研究から、数々の驚くべき事実がわかってきた。 例えば↓(以下、私が若干要約した箇所もあるが)
引用:人体の細胞でのエネルギー生産・DNA合成・脂肪酸の生成に必要なビタミンB12を作り出す酵素は、腸内微生物にしか合成できない
引用:有益な微生物の代表であるテタイオタオミクロン菌は、炭水化物を分解する能力に優れていて、大きな多糖類をブドウ糖などの消化しやすい小さな糖類に分解する。 ヒトゲノムには多糖類を分解する酵素の遺伝子はほとんどないが、その菌のゲノムには分解する酵素の遺伝子が260種類以上がコード化されている。そのおかげで人間はオレンジやリンゴ、ジャガイモや小麦胚芽といった食品から栄養素を効率的に吸収することができる。 この菌は多糖類を消費して生きている、その菌の排泄物である短鎖脂肪酸は宿主である動物のカロリー源となる、通常なら消化できない食物繊維などの炭水化物からもカロリーを取り出してくれる。
引用:消化性潰瘍の発生を促す原因病原体として指摘されたピロリ菌は、ただの病原体ではなかった。 胃酸の量の調整を助け、自分自身と宿主に適した環境を作り出すことで人体に役に立っている・・。胃酸を減らすよう指示するタンパク質を生成する。 しかし感受性の高い人にとっては潰瘍を引き起こすという副作用があることから悪玉菌とされたが、その後の研究で、ピロリ菌は空腹感を脳に教えるホルモンや満腹感を教えるホルモンの濃度の制御に関係しているらしいことがわかり、潰瘍の発生を抑えるために抗生物質を飲みピロリ菌を抑えることが、逆に食欲の制御を鈍らせ食べ過ぎになる可能性も考えられる

また、健康の維持に不可欠な免疫にも下図↓のように微生物が深くかかわっている。
引用:

以上が主な一部の要点だが、
日経サイエンスには更に、二部「個人差生むマイクロバイオーム」、三部「胃腸と脳の意外なつながり」について載っている。

 
 私たちは、すでに有用菌と健康に関するプロバイオテクス(人体に良い影響を与える微生物、または、それらを含む製品・食品のこと)のことは知ってはいたが、日経サイエンス誌の「特集マイクロバイオーム」は、「ヒトは微生物叢によって生かされている」ということを科学的に生活者にわかりやす解説していただき、深く感謝したい。(なお、許可無く本誌の一部をそのまま流用したこと、図の一部を再配列したことを、お許しいただきたい)
ぜひ、本誌の購入をお強く薦めします。購入は送料無料のamazonが便利です

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